PreSonus Studio One Pro

ようやく機能に一通り触れた感があるので、使用感をレポ。
ちなみに私のDAW使用遍歴はYAMAHA SOL2→Cakewalk SONAR6 Power Studio→PreSonus Studio One(イマココ!)です。


※使用環境
OS:Windows XP 32bit
CPU:Intel Core2duo E6600
RAM:2GB
Audio I/F:PreSonus FireStudio Mobile

私の音楽制作スタイルとして、レコンポーザのWindows版でMIDIデータを作り、最終的にそれをDAWに持って行ってオーディオ化、という手順を踏んでいます。
ですがそれだとVSTi等も使えず不便なので、制作時はレコンポーザのMIDI出力をMIDIyoke OUTに、DAW側のMIDI入力をMIDIyoke INにすることで、レコンポーザのデータをDAWで出力させてます。
簡単に言うと、DAWそのものを1つのソフトウェアシンセサイザー的に扱ってる感じです。
なので、DAWソフト一本で制作環境を完結させたい方にとっては、あまりお役に立てないかもしれません。



◆良いところ
・直感的な操作(マニュアルいらない!)
・動作がおそろしく軽い
・RAM容量を使い切らない限り、抜群の安定感
・付属エフェクタが予想外の高品質
・CD作らない人でも何気に便利なマスタリング機能搭載
・オートバックアップ機能等やファイル保存選択肢の充実
・一括バウンス
・64bitOS対応してるので後々も使える

◆残念なところ
MIDIデータ入力機能が端的に言うとゴミ
・RAM容量使い切るとみるみる不安定になり、落ちる
・付属ソフトシンセは微妙
・ソフトシンセやエフェクトのフリーズ機能がない
・ボーカル用のピッチ補正プラグインがない
MIDI同期でマスターにしかならない(スレーブにできないっぽい)


とりあえず利点欠点を挙げるとこんなところですかね。
個人的に気になるところをもうちょっと細かくレポします。

MIDIデータ入力機能
ピアノロールしかありません。操作性も特筆するほどよくはないので、細かい打ち込みには向かないと思います。
しかもなんかこだわりがあるのか、データの値が0〜127ではなくて0〜100になってます。
ギターのパートでベロシティ127の時はピックスクラッチの音色が鳴るようにしてたんですけど、レコポで作ったデータをS1に送り込んだらベロシティ99.7とかそんな感じになってて、それは音源側では127とは認識されず、そこだけ手作業で100にし直す、というムダ作業が発生しました。

・安定してるけど、RAM容量を使い切ると落ちる
安定してるから遠慮無くプラグイン挿しちゃうんですが、気づいたらメモリ使用量限界がオーバーしてて、SampleTankやらStylus RMXが挙動おかしくなって、最終的にDAWごと落ちたり。
まあ私の使い方もですが、PCが古いのが一番の原因なので、新調して16GBとかにしちゃえばいいんですけどね。
なんにせよ基本的にCPUにせよメモリにせよギリギリまではほんともう感動するくらい抜群の安定感です。SONARだとCPU使用率50%いったあたりでもうgdgdになってましたから…。

・付属エフェクタ
これはまあデモ版試せばすぐお分かりいただけると思うんですが、本当に良い感じですよ。
EQとか評判高いですが、地味なところでフェイザーなんかも求めてた音を出してくれます。ただリバーブは味付けが濃い感じですね。

・付属ソフトシンセ
まずマルチティンバーのシンセがないんで、このDAWだけ買ってDTM始めますってのは厳しいです。
Sample Oneという簡易サンプラーがあるんですが、これは使いやすくてGoodだとは思います。

・マスタリング機能
制作してる曲の2MIXをマスタリングのプロジェクトファイルに送り込めるんですが、たとえばマスタリングの途中で2MIX直したいって時は、ボタンをクリックすると2MIX元のファイルを呼び出して編集可能になります。これは使ってみてはじめてわかる便利さ。

・フリーズ機能とピッチ補正機能非搭載
フリーズに関してはバウンスが簡単なのでそれで済む気もします。そもそもボクはあまりフリーズ使いたくないですし…。
ピッチ補正機能がないのは、他の専用ソフトを買えってことでしょう。下手にビルトインして重くなったり不安定になるよりはボクはそっちのがよいです。


総評として、基本的にMIDIデータ入力はあまりやらないとか他でやるとか、そういう人には非常におすすめできるソフトです。
レコポって人はもちろん、DominoとかSSW、XG Worksあたりをお使いの方は検討に値すると思います。
というか正直なところ、私が求めていたものがここに! って感じです。少なくともSONAR6からの移行で不満点が本気で無いです。

お値段もお求めやすく、国内でPreSonus製の安いAudio I/F買ってそれに付いてくるArtistをProにアップグレードして3万円ちょっと。
クロスグレード対象の製品をお持ちならもっと安くなりますし、海外で買える方はもっと安くなります。セールでArtist版が20ドルで売られることがあって、それを海外でアップグレードすれば2万円以下になります。

長くなってしまいましたが、このへんで。
いろいろつらつら書いてしまいましたが、気になる方はデモ版を触るとよいです。結局は、自分で触ってみるのが一番ですね。